出版社/著者からの内容紹介
マで、設計を巡る思考の助けとなるような基礎的知識、あるいは最低限知ってお
くべき理論的フレームを、意匠(design)という言葉で広く捉えつつ、わかりや
すく解説。巻末には、一問一答スタイルの問題集を掲載し、講義の進捗状況が
把握できるように工夫した。
内容(「MARC」データベースより)
著者について
平尾和洋(ひらお・かずひろ)
立命館大学理工学部建築都市デザイン学科助教授
1966年生まれ.京都大学工学部建築学科卒業,京都大学大学院修了.京都大学工
学研究科助手を経て現職ならびにVIDZヴィズ建築設計事務所パートナー.博
士(工学),一級建築士.共著に『日本の住宅戦後50年』(彰国社).
執筆担当:6章,8章,9章,10章
末包伸吾(すえかね・しんご)
神戸大学工学部建設学科助教授
1963年生まれ.神戸大学工学部建築学科卒業,ワシントン大学大学院および神戸
大学大学院修了.鹿島建設建築設計部を経て現職.博士(工学),一級建築士.
訳書に『ルドルフ・シンドラー』(鹿島出版会).
執筆担当:1章,2章,3章(5節)
■執筆者
大窪健之(おおくぼ・たけゆき)
京都大学大学院地球環境学堂助教授
1968年生まれ.京都大学工学部建築学科卒業,京都大学大学院修了.京都大学工
学研究科助手を経て現職.立命館大学 歴史都市防災研究センター客員教授を兼
任.博士(工学),一級建築士.共著に『地球環境学のすすめ』(丸善).
執筆担当:6章,13章
藤木庸介(ふじき・ようすけ)
京都嵯峨芸術大学芸術学部観光デザイン学科専任講師
1968年生まれ.京都精華大学美術学部建築分野卒業,シュテーデル・シューレ・
フランクフルトを経てイーストロンドン大学大学院修了.和歌山大学システム工
学部助手を経て,現職ならびに遊工舎一級建築士事務所代表.和歌山大学大学院
後期博士課程在籍中.芸術学修士(M. Arts),一級建築士.共著に『観光デザ
イン学の創造』(世界思想社).
執筆担当:4章,12章
松本 裕(まつもと・ゆたか)
大阪産業大学工学部環境デザイン学科専任講師
1966年生まれ.京都大学工学部建築学科卒業,京都大学大学院およびパリ建築大
学ベルビル校DEA修了.工学修士,DEA学位.共著にシリーズ『都市・建築・歴
史』第6巻(東京大学出版会).
執筆担当:5章,11章
山本直彦(やまもと・なおひこ)
滋賀県立大学環境科学部環境計画学科環境・建築デザイン専攻専任講師
1969年生まれ.京都大学工学部建築第二学科卒業,京都大学大学院博士課程修
了.デンマーク王立オーフス建築大学助手,立命館大学理工学部建築都市デザイ
ン学科専任講師を経て,現職.博士(工学).共著に『アジア都市建築史』(昭
和堂).
執筆担当:3章,7章
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
立命館大学理工学部建築都市デザイン学科助教授。1966年生まれ。京都大学工学部建築学科卒業、京都大学大学院修了。京都大学工学研
末包 伸吾
神戸
大窪 健之
京都大学大学院地球環境学堂助教授。1968年生まれ。京都大学工学部建築学科卒業、京都大学大学院修了。京都大学工学研
藤木 庸介
京都嵯峨芸術大学芸術学部観光デザイン学科専任講師。1968年生まれ。京都精華大学美術学部建築分野卒業、シュテーデル・シューレ・フランクフルトを経てイーストロンドン大学大学院修了。和歌山大学システム工学部助手を経て、現職ならびに遊工舎一級建築士事務所代表。和歌山大学大学院後期博士課程在籍中。芸術学修士(M.Arts)、一級建築士
松本 裕
大阪産業大学工学部環境デザイン学科専任講師。1966年生まれ。京都大学工学部建築学科卒業、京都大学大学院およびパリ建築大学ベルビル校DEA修了。工学修士、DEA学位(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
抜粋
凝らすこと=idea,device」という意味と,「美術・工芸・工業製品などの形・
色・模様・配置などについての独自の工夫,デザイン=design」という意味の2
つがあります.
近代建築以前,19C頃の「建築意匠」は,「構造」と対比され,構造的解決を
主とする建物本体に「意匠を施す=外観の表現を与えること」,つまり美的・装
飾的な操作を指すものと捉えられていました.ローマ期の建築家・ウィトルウィ
ウスは建築の立脚点を「用・強・美」の3つに整理しましたが,このうち「美」
を扱う学問としての建築美学は18C後半の哲学者バウムガルテンの創始以来
「建築美の本質を追究する学問」として現在まで継続
た背景から,現代においても建築意匠=建築美学の図式で捉える立場が存在する
ほか,わが国では建築の形態やその構成理論に関する研究が「建築意匠学」の名
のもとに定義されています.
本書は,建築家を志す学生や若手設計者を対象とし,日々交わす議論や設計
を巡る思考の助けとなるような基礎的知識,あるいは最低限知っておくべき理論
的フレームを「意匠design」という言葉の上に(上記とは別の立場から)広く捉
えつつ,これらの知見をわかりやすく解説した入門書としてまとめられたもので
す.と同時に,大学学部レベルの「建築デザイン」「建築設計論」「建築空間
論」,大学院レベルの「建築設計特論」等といった意匠系・設計系の教材・講義
テキストとして使えるよう,広範なテーマについてできるだけ平易に知見の紹介
が試みられています.
本書は,(1)近代建築以降の諸理論,(2)建築の「表記」方法と設計者の
意図,(3)形態(かたちや構成,全体と部分の論理),(4)建築構成要素の役
割,(5)建築の原点に関する論考,(6)空間と光のイメージの変遷,(7)
近・現代の都市の諸理論,(8)力の流れ,(9)デザイン領域の拡大という9つ
のテーマについて,13の章から構成されています.巻末には各章15題ずつ総計約
200問の一問一答を例示しました.本の使い方として,本文13章と問題集+テス
トを併せ,15回に分けて,講義をすることが可能です.大学の講義では,最終的
な到達目標を,「巻末の問題集を解くことができるようになること」と設定する
こともできますし,「解答を作成するために本文を読んでいく」という手順をと
ることもできるでしょう.また,各問題文が各章のエッセンス,つまり要約版と
なっているので,この文章だけを再読することで,本文の中身を概読できるよう
になっています.
テーマの構成と紙幅の都合上,従来の意匠系の本に比して,美学者・美術史
家・建築家などの美論,シンメトリー(対称・均整)やコントラスト(対比)な
どといった「美の形式原理」,あるいは「色彩」や「装飾」については詳細に解
説するにはいたりませんでした.こうした内容については,井上充夫『建築美論
の歩み』(鹿島出版会,1991)や上松祐二『建築空間論 その美学的考察』(早
稲田大学出版部,1997)そして小林盛太『建築美を科学する』(彰国社,1991)
などの優れた入門書・解説書が存在しますので参考にして頂きたいと思います.
本書は,40歳前後の建築意匠関係者があつまり,全体構成から各章の内容に
いたるまで議論を重ねつくりあげたものです.この議論は,建築意匠のテキスト
という広範な主題を扱わねばならない作業であったため,筆者たちの勉強会と
いった様相も呈していました.思わぬ錯誤などがありましたらご教授いただけれ
ば幸いです.
本書を手にした方々が,建築意匠への興味を持っていただける,建築意匠に
関する知識をえていただける,そしてこれから生み出される建築や都市の空間が
よりよいものになる,そうした一助になればと思っています.



